「スマートマネー流株式選択術」P・フィンチ著 に、米国401Kプランの説明がありました。
◆確定拠出型年金 defined-contribution plan
拠出額が一定水準に決められた年金プラン。
ただし、年金の給付額はその運用成績次第で変わる。
401Kプラン(確定拠出型企業年金)、403Bプラン(非営利団体職員向け適格年金)、457プラン(州地方公務員団体職員向け適格年金)などの場合は、非雇用者が任意で課税繰り延べ口座に拠出するようになっており、雇用者が一定額を上乗せしてくれる場合と、してくれない場合がある。
確定拠出型年金は、確定給付型年金とは違い、株式、債券、マネー・マーケット・ファンド(MMF)のどれに投資するかは通常、被雇用者が選択できるようになっている。
◆確定拠出型企業年金(401K plan)
雇用者がスポンサーとなり、従業員が税引き前給与からの天引きによって、拠出し積み立てていく退職貯蓄プラン。
雇用者が一定額まで上乗せして拠出してくれる「マッチング拠出」が普通。
運用は、従業員の自己責任により、株式・債券・短期金融商品などの選択肢の中から、自分で選んで資金配分を行う。
運用収益は、資金を引き出すまで課税が繰り延べられる。
◆確定給付型年金 defined-benefit plan
従来型の企業年金プラン。
退職後、自分の年齢、給付水準、勤続年数に応じて、毎月決まった額の小切手を受け取れるもの。
401Kなどの確定拠出型年金とは異なり、年金給付を受けるために、必ずしも給与の一部を拠出しなければいけない、というわけではない。
米国の確定拠出年金制度をまねた、「日本版401K」は、本家とは比較にならない程従業員に不利な法律といわれている。
第一に、法制定の目的が異なる。
米国は、労働者の老後資金確保を目的とし、高収益で豊富な選択肢が用意されている。
もちろん自己責任であるのは、当然として、ITブーム等のおかげか実際に億万長者が出現している。
翻って、日本版401K導入の目的は、ゼロ金利で給付利回り確保が難しくなった「企業の確定給付型年金の破綻を救うため」と思われます。
企業の言い分は、「あなたの退職金として、従来から予定していただけ積立て上げます。
選択肢は、保守的なものから、積極運用まで準備しました。
お好きな資金配分と、乗り換えも自由にできますよ。
しかし、運用はあなたの責任ですよ!!!」
ということで、企業としては、これまで労働組合に約束してきた確定給付のリスク(特に、団塊世代の大量退職にともなう資金繰りの悪化)が避けられることになる。
面白い(悲劇的な)ことに、資金運用法として用意された選択肢は、数%の利子が付くだけの積立預金に近いものか、投資信託等は、成果がほとんど出ていないにもかかわらず、どれも運用手数料が高く、証券会社、銀行救済としか思えない情けないものばかり。
会社が準備した運用委託先説明会で、話を聞いたとき、「運用のプロ」という言葉が何度も繰り返された。
そんな時、日本の投資信託の成績、運用実態を知っている私は、こう思いました。
「大切な退職金です。
とても”運用の素人”には任せられません!」
という経緯で、早期リタイアの道を歩みました。
日本版401Kで、億万長者がでたら、東京中逆立ちして歩きたい気分です。
もしも、あなたの企業が401K導入を検討中なら、是非とも、投資信託の実態を確認して下さい。
優良企業の株を保有しているだけで儲かった時代は、過去のものです。
あなたの大切な退職金は、これからの大イベント(地震、国債暴落、中国バブル崩壊、財政破綻)から可能な限り遠ざけましょう。(国と地方の債務残高)
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