海外ファンド・ヘッジファンド投資の基礎知識

 海外のお金持ちが投資する海外ファンドヘッジファンド)は、景気の変動に関わりなく、すばらしい運用成績を残しています。
 英会話ができない私でも、渡航もせず海外ファンドを入手できるんですね。 そんな魅力ある海外投資の基礎知識集です。

【国内設定海外ファンド:専門家の見方】

    以下は、私の信頼するコンサルタントに、国内金融機関が設定したマン社Man Investments)の
   投資ファンドヘッジファンド)について、あまりにも経費が高すぎて元のファンドとは比較にならない
   不利なものになっているのでは? と問い合わせたメモです。

    邦銀、証券会社の運用能力の低さゆえ、1%台の赤字国債を買うことしか能が無い(失礼!)
   金融機関が考えることといったら、「手数料で稼ぐ」ことだけのようです。

    もともと、邦銀の利益の源泉は、「土地を担保とした貸し出し」でした。
    これは、いざとなれば、担保の土地を没収する方式ですから、投資の質を判断する能力が
   育たなかったのではないでしょうか?
    こういう、本質的な投資判断ができないため、安易な手数料に走っているものと考えます。

    世界一繊細な相場技法「酒田新値」を考え出したのも日本人ですし、大阪船場の米相場では、
   空売り、信用取引、手数料のとり方等、世界の金融工学をリードするような取引が発明されている。
    いずれ、世界に通用する日本人のファンドマネジャーが育ち、日本の金融商品の質的改革が
   実現されんことを期待します。

 【質問です】
   早速ですが、近年、邦銀取り扱いのMan社のファンドが増えましたね。

   ところが、内容を見ると、費用負担が大きく、あまりにも投資家に不利、
  「似て非なるファンド」となっているような気がします。

   もしも、私の理解が正しければ、邦銀ファンドは避け、直接元のファンドに
  投資するのが賢明な選択となります。

   しかし、残念なことに、「パフォーマンスローン債」に投資することがどういうものか
  私には理解できておりません。
 
   具体的対象は、三●UFJ証券募集の
   「ケイマン諸島籍 米ドル建て契約型オープンエンド外国投資信託(単位型)
    マン・AHL・エンハンスト・ストラテジーズ償還時元本確保型ファンド2」 
   です。

    三●の販売用資料を、Man Enhanced Series2 Ltd-USD と比べ、
   不利と判断できる項目と疑問点を列記してみました。

    この理解でよろしいのでしょうか?
    もしも私の理解が間違っておりましたら、お教え願います。
    また、元のファンドと邦銀ファンドのパフォーマンスの比較表、或いは
   実績をとらえたものがありましたら、お教え願いたいのですが。

    @下記項目の費用が二重払い(パフォーマンスローン債に含まれる費用では?)
      、或いは元のファンドを買えば支払う必要がないのでは?
         <保有期間中ファンドが負担する費用>
          ・投資運用報酬 各投資戦略への投資配分の毎月1%の四分の一
                     (年率約3%)を上限 
          ・成功報酬    各投資戦略に帰属する純資産総額の純増加分に
                     基づく20%を上限
          ・リスク移転費用及び管理費用 ファンド純資産に対し年率1%
          ・取次ブローカー報酬  関連する投資戦略への投資エクスポージャー
                          の上限1%
          ・評価報酬  ファンド純資産に対し年率0.15%(最低2,083.33米ドル)

    Aなぜ成功報酬20%を、リスクを取らない金融機関に支払う必要があるのか?
      パフォーマンスローン債の成果は既にトレーディングカンパニーが
      成功報酬をとった後では?)
    B同じく取次ブローカー報酬とは、トレーディングカンパニーが支払うものでは?
       
      お忙しいところ恐縮ですが、ご指導のほど
      よろしくお願い致します。

    


【回答頂きました】

     ご質問の国内設定ファンドと海外設定ファンドの手数料比較の件、他社のファンドなどに
    おいても多く頂くご質問の一つとなりますが、厳密な意味での比較論が成り立ちません。

     まず、ご質問の「投資運用報酬、成功報酬、リスク移転費用及び管理費用、
    取次ブローカー報酬、評価報酬」とい名目、海外ファンドにおいては異なった名称で
    それぞれ設定徴収されております。

     Man Investments Ltd社の場合、ファンド募集元/管理者としての手数料設定や
    個々の運用戦略(ヘッジ運用マネジャー)によってその設定値は一律(%や金額)の場合や
    実績に応じた徴収など細かく設定されております。

     一方、国内ファンド/投資信託においては募集元が日本の法規制の中で設定され
    目論見書を作成し日本の“金融商品化”が行われます。

     三●UFJ証券が募集する「マン社運用ファンド」の場合、三●UFJ証券が
    “ファンド設定及び募集元”となり、 Man Investments Ltdは集められた資金の
    “運用先”となります。

     この為、各種手数料は三●UFJ管理下のもと、 Man Investments Ltdへ支払われ、
    Man Investments Ltdが個々の運用戦略(ヘッジ運用マネジャー)へ各種手数料を支払う
    とご理解ください。

     仮に中身がまったく同じである三●UFJ証券「マン社運用元本保証ファンド」と
    Man Investments Ltd 「Guaranteed Fund」があり運用戦略が同じAHLプログラムで
    あった場合、運用戦略であるAHLプログラムへの手数料は同じながら、
    「 Man Investments Ltd Guaranteed Fund」ではファンド設立から顧客管理や
    運用戦略管理などもすべて Man Investments Ltd社が取り仕切ります。

     対して、「マン社運用元本保証ファンド」ではファンド設立から顧客管理は三●UFJ証券
    が行い、そこから先の部分においてはMan Investments Ltdへ丸投げする手数料を設定
    されているとお考えください。

     すべての手数料が公表されておりませんので、どのような手数料において
    どのくらいの差があるかは解りませんが、ファンド設立費用や顧客管理などだけが
    異なっていたとしても、海外オフショアと日本国内では大きな開きがあると思います
    (日本では個々の手続き費用に消費税も徴収されているはずですし)。

     また、“元本保証業務”においても、三●UFJ証券では国内設定が行われている
    はずですので、海外の設定よりも規制も手数料も大きく違うと思います。

     上記、設定場所、設定方法、関係各社が異なりますので同じファンドとして
    すべての手数料比較は難しく、懸念されている2重払いは無いと思いますが、
     Man Investments Ltdにおいての運用管理は同等に行われておりますので、
    三●UFJ証券ファンドではその上に彼らの管理費が設定され、広告宣伝費や
    各種セミナー費用含め、過剰サービスに近い国内投資家向けの各種レポート費用
    なども上乗せされていると思います。

     また、三●UFJ証券へファンド化の企画などを持ち込んでいるのは
    「マン インベトメント証券」という日本に金融機関/証券会社として設立された
    日本の会社(個人業務は行っておらず法人業務のみ)となり、おそらく、
    彼らの経費も三●UFJ証券のファンドから捻出されていると思います。

     「邦銀企画のヘッジファンドと海外直接購入ファンドの優劣」、このようなご質問の
    ご説明の際に「例え話」としてよくお伝えしておりますが、日本で外車の
    メルセデスベンツを購入する場合、YANASEのような正規代理店では日本の規格
    (ウインカーの大きさやライトの光量、シートやバンパーなどの強度安全基準など)に
    すべて作り変え、正規代理店が自分達の経費や広告宣伝費、また販売網の経費など
    も算出し価格設定されて販売されます。

     一方、平行輸入業者から購入するメルセデスベンツでは最低限の規格に応じた
    変更や輸入代行手数料など含めた利益のみをその都度本国価格
    (その時点での為替)に上乗せし販売されます。

     エンジンは同じですので燃費や速度に差は生じないはずですが、同じ車ながら
    日本への持ち込み方法&販売方法の差から購入価格には大きな差が生じます。

     車の場合ですとその後のアフターサービス&保守メンテナンスがありますので、
    保証が一切ない売りっぱなしの並行輸入ディラー車は怖くて購入できず、
    割高でも正規代理店ディラーより購入すると思います。

     しかしファンドにおいては、燃費や速度=運用実績が同じならば、
    持ち込み方法=購入方法はより経費が軽減されている方が購入者=投資家に
    とってはメリットがあると思います。


【再び質問しました】

     規制で守られ努力なしに利益を確保できる、ぬるま湯に浸かってきた国内金融機関
    には、自分でリスクをとる気はないのでしょうか?
    単純に、比較できない目論見書としたのも、戦略の一つかも知れませんね。


【再び教えて頂きました】
     国内投資信託の成績上位リストを見ても、ほとんどすべて海外ファンド
  の国内焼き直し版だと思います。

   また、リスクを伴ったリターン追求のファンドマネージングなどは
  日本国内では許可されず(法的にではなく社内判断として)、実力のある
  人材ほど外資系/海外へ移り、海外ファンドにおいて日本人ファンドマネジャー
  も多く存在しております。

   私ごときが言う立場ではありませんが、日本の金融機関、海外から見ると
  資金はありながらも中身の実力はお粗末な物と思います。

    ・・・中略・・・

   目論見書に記載される手数料の比較論について、これは戦略というわけではなく
  、法律、地域が異なる点が最大の理由となります。

   厳密な意味ではアメリカと日本でも比較検討は完璧には行えませんが、
  まだ比較は可能と思います。

   しかしオフショア・ヘッジファンドとなりますと、手数料開示の必要性も
  異なります。
   Man Investments Ltdが目論見書に細かな表示をしているがゆえに、
  比較検討を考えたくなってしまいますが、それでも設定名目や種類は異なります
  ので、厳密な比較が難しいとご理解ください。

   彼らを庇う気持ちはありませんが、意図的に隠していることはないと思います。

     ★★★★★★ スマートマネー流・優良ファンド選択法  ★★★★★★
        スマートマネー流株式選択術 (ピーター・フィンチ著)
    本著では、主に米国の株式ファンドに投資するにあたり、五つの重要な項目を
  挙げています。
    この考え方は、投資の基本であり、日本の投資信託を買う時にも当てはまるし
  海外ファンドを購入するにあたっても、重要な判断です。

      1.自分の投資目的を明確にする
      2.長期にわたるパフォーマンス(運用成績)をチェックする
      3.ファンドのリスクとボラティリティ(変動率)を評価する
      4.手数料と税金を最小限に抑える
      5.担当のファンドマネジャーを知る


  2.長期にわたるパフォーマンス(運用成績)をチェックする
    こんな言葉に見覚えは無いだろうか。
    「過去の運用実績は将来の運用成績を約束するものではありません」

    これはミューチュアルファンドの広告の下の方に、ちっちゃな字で必ず記載
   されている言葉だ。
    そう、ファンドの過去の運用実績を誇らしげに宣伝した部分の直ぐ下だ。
    投資家だって、実績どおりになるとは決して思っていないのは確かだ。
    しかし、ミューチュアルファンドの過去の運用実績に目もくれない人は、自ら
   リスクを抱え込むことを覚悟しないといけない。

    というのも、ファンドマネジャーの能力を知る上で最高の尺度となるからだ。
    面白いことに、過去の成績は好成績のファンドよりも成績不良のファンドを
   予測するのに良い指標となるらしい。
    フォーダム大学が2000年現在の運用成績について調査を行った結果、
   モーニングスターから4つ星か最上位の5つ星と評価されたファンドが、必ずしも
   上位に残るとは限らないが、1つ星か2つ星とされたファンドは相変わらず
   もがき苦しんでいることが分った。


    教訓はあまりにも明らかだが、「永久負け組みファンド」には
   手を出さないことだ。


    では、運用実績を評価するには他にどうすればいいのだろうか。
    まずは、長期間にわたる実績を調べること。
    前年に話題となった人気ファンドの誘惑に負け、やけどをする投資家が
   あまりにも多いからだ。
       ・・・中略・・・
    では、年率リターンが7%とか15%、20%で推移している、ごく普通
   のファンドの場合はどうするか。
    本当に一貫して好成績といえるファンドは、どうやって見分けたら
   いいのだろうか?

    一番良いのは、投資対象が同様のほかのファンドや、ベンチマークとなる
   インデックス(大型株ファンドなら、大型株が採用されているS&P500
   小型グロースファンドならラッセル2000)と比較してみることだ。
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