＜外国為替取引の基礎知識＞　　

　　　　　　　　　「図解雑学　通貨と経済」　野村重治　著

●デリバティブの役割

　　　　為替リスクを回避するための手段として、為替先物を
　　説明しました。
　　　　ただ、為替先物の場合、例えば3ヵ月後に100万ドルを
　　1ドル=100円で売ることを確定してしまうので、
　　円高（1ドル=98円）を予想していたのに、3ヵ月後に円安
　　（1ドル=102円）になると、直物でドルを売る方が得すること
　　になります。
　　　　また、先物為替は相対取引なので、取引相手が
　　見つかりづらいという、流動性の低さも使い勝手を
　　損ねています。
　　　　このような問題を解決するのがデリバティブです。

　　　　デリバティブとは、金融資産から派生して出来た商品の
　　ことです。
　　　　
　　　　例えば為替であれば、直物か先物で売買することが
　　基本となりますが、デリバティブでは、あるレート以上なら
　　買うし、それ以下なら買わない、といった選択が可能と
　　なります。

　　　　またデリバティブは、自分が望む条件で契約することが
　　出来るので、先物為替で取引するよりも効率的に
　　リスクヘッジすることが出来ます。

　　　　一方でデリバティブは、より高いリスクを取ることで、
　　大きな利益を狙うことも可能となっており、投機色が強い
　　ものでも有ります。



●デリバティブの種類

　　　　デリバティブは金融商品から派生するものなので、
　　為替以外にも、株式、債券などから派生した商品も
　　有ります。（金融派生商品）

　　　　債券から派生したものが、金利を交換するという、
　　金利スワップです。
　　　　また、天候の変動リスクを取引する天候デリバティブ
　　といったものもあります。