＜外国為替取引の基礎知識＞　　

　　　　　　　　　「図解雑学　通貨と経済」　野村重治　著

●IMF体制
　
　　　　第二次世界大戦が終わりを迎えようとしていた1944年、
　　国際通貨システムの脆弱性を立て直すため、アメリカと
　　イギリスの主導により、国際通貨基金（IMF)や
　　国際開発復興銀行（IBRD、通称世界銀行)の設立が
　　協議され、1946年には、正式にIMFとIBRDが発足します。

　　　　これに関連する一連の協議がアメリカのブレトンウッズ
　　で行われたので、IMFに元づく国際通貨制度を
　　ブレトンウッズ体制といいます。
　　　　この制度では、金との交換が可能な通貨を当時圧倒的
　　な経済力を誇ったアメリカのドルのみとされました。
　　　　ここにおいて、国際通貨はポンドからドルへと移行する
　　ことになります。



●IMF体制の仕組み

　　　IMF体制では、まず金を基準としてドルの価値を定め、
　　ドルに対して、各国の為替レートが定められました。

　　　　具体的には、金1オンス＝35ドルと定め、それに対して
　　日本円は1ドル=360円（金1オンス＝12600円）と決められ
　　ました。
　　　　通貨の対外価値を表す基準のことを平価といいますが
　　、IMF体制のもと定められた1ドル＝360円のような交換比率
　　をIMF平価と呼びます。

　　　　ドルは、アメリカの保有していた豊富な金の信用力を
　　背景として発行され、アメリカは各国の中央銀行が保有する
　　ドルとのみ、いつでも交換に応じました。
　　　　このように、IMF体制はドルに金と同等の信用力を保証
　　していたため、金為替本位制ともいわれます。

　　　　IMFの目的のひとつは、以上のように決めた平価を各国
　　が維持できるように支援することでした。
　　　　そのため、加盟国は自国の経済規模に応じた一定額を
　　IMFに拠出し、国際収支に不均衡が生じた国には、拠出した
　　基金を使って援助する機能も果たします。