【メールサポート:空売りについて】

  ----- Original Message -----
Subject: ありがとうございました

 ●● 様

 早々のご返事ありがとうございました。
 ●●様のやり方が何となく分かって来ました??
 細かい所は、まだまだ未熟者ですので無論及びませんし、2年近く空売りをしていないので少し怖いのですが。
 近々チャンスが来ると思いますので、とりあえず試して見ようと考えております。

 今後ともご指導よろしくお願いいたします。

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 皆様、おはようございます

 早速ですが、○○様より下記のメールを頂きました。
 ○○様は、月足220枚作成済み、空売り経験等、おたよりから推測しますと、かなり高度な感覚と、相場への情熱をお持ちの方と、お見受け致します。
 面倒な作業をものともされない姿勢が、○○様を確実に成功に導くはずです。
 この調子で、是非、お続け下さい。

 さて、文面に有ります「空売り」について、私なりの考え方をご説明させて頂きます。

 最初は、お恥ずかしい失敗談から

 <青天井の恐怖>
 「空売りは怖い」といわれます。
 「株といえば、買い」と、大衆証券会社の営業政策に洗脳された我々には、売ってから、買い戻すという方法は、イレギュラーに感じられ、それが恐怖を引き起こすのかも知れません。

 そんなイレギュラーの感覚は卒業していた私ですが、ある日恐怖を味わいました。

 前日までの建て玉は、30単位の空売り。
 10.17ストップ高をみて、恐怖にかられ(2日間のみで、165万円の損)!!!  四分の一を損切りしました。
 (新高値に損金額が膨らみすぎ、恐怖で全玉損切りできないのです)。

 幸い、一週間ほどの急騰急落で、事なきを得ましたが、逆に、その急落を、「買いつなぎ」出来なくなりました。
 大き過ぎる恐怖心が、判断力を喪失させる体験でした。

 現物買いならば、損失は、その投資額を超えることは有りません。
 ところが、空売りの損失額は、理論的には、無限大です。
 上値抵抗線と考えていたレベルを大きく超えると、恐怖心は最高調となります。

 二度と味わいたくない経験でした。

  
 <意味の無いねばり>
 これは、「思考の慣性」とも関係があると思いますが、リズムで上げを売り、下げを買い、だらだらと、区切りの悪い建て玉を続けておりました。
 建て玉は大きくなりますが、売り買いの差額を蓄積する方針でした。
 (精神的に過大負荷にならないように、片玉15単位未満に抑えながら)

 ところが、数週間前、証券会社から、建て玉満期のメールが来ました。
 満期日に自動手仕舞いする警告でした。
 もちろん、満期は意識しておりましたが、「絶対下がる、もう少し」と、手仕舞いを延期しておりました。

 冷静になって、振り返れば、がんばって、がんばって、損を拡大しておりました。(;_;)
 「見込み違いは、即、手仕舞」が、言葉を知っているだけで、実行に移せなかったのです。

 「知っている」だけでは、利益は上げられません。
 「出来る」段階になって、初めて意味があるのです。
 皆様には、練習売買を地道に繰り返し、是非 「出来るように」なって頂きたいのです。


 <期間によるナンピン>
 ナンピン難平=難を平らにすると書く)には、3種類が有ります。
  (1)値幅によるもの
  (2)値動きによるのも
  (3)期間によるもの
 判り易いのは、値幅によるナンピンでしょう。
 例えば、100円で買った株が、90円に下がった時、もう1単位買えば(等分割)、平均値は、95円になり、有利になりますね。
 90円に下がった時に、もう2単位買えば(不等分割)、平均値は93.33円になり、より有利さが増します。

 Bookにも、書きましたとおり、分割は基本中の基本で、先のことは判らない相場の世界では、計画的なナンピンが、勝利への必須要件です。

 値動きによるナンピンは、以前の通信でも、ご紹介のとおり、新値が付く毎に、建て玉する方法です。

 判りにくいのは、期間によるナンピンでしょう。
 例えば、週初に決まって買いを入れるとか、有る期間毎日1単位買い続けるとかいう方法です。

 私が試したのは、天井圏とおぼしき所から、毎日売り玉を建てる方法です。
 結果的には、想像以上に平均値が有利になり、改めて驚いたことが有ります。

 現在は、もう少しポイントを絞って、玉を厚くしておりますが、期間でナンピンする経験が役立っているものと思います。

 うねり取りは、基本的には大雑把な天底判断で玉を入れる方法です。
 玉がある値段に集中している、一発勝負のような建て玉は、好ましく有りません。
 特に、空売りでは、損金額が急激に増大し、踏(損をする)まざるを得なくなります。
 是非、期間によるナンピンを習得され、資金の有利な分散を こころがけて頂きたい。


 <もどり売りを意識せよ>
 もう一つ、心がけて頂きたいことに、「戻り売り」があります。
 私の経験では、値幅によるナンピン、値動きによるナンピンどちらにせよ、”仕掛けが早すぎた!”と、反省することしきりです。
 特に、利益が大きくでた後の仕掛けは、早すぎる傾向が有ります。

 後からみれば、順行3本目は、うねりの周期からは明らかに 早すぎるのですが、数日で十分な値幅が取れると、欲ボケでつい仕掛けてしまいます。

 新高値がでると、欲で仕掛けてしまいがちですが、冷静に見れば、戻り売りでも、十分平均値を有利に売れることが、多いです。
 一つしか高値のないヤリのような日足は、稀です。

 多くは、M型天井、ヘッドアンドショルダー三尊)、なだらかな天井を形づくるため、あせって仕掛ける必要は有りません。

 正確には、ご自身の銘柄の日足で確認頂きたいのですが、「戻り売り」有利が、確認できましたら、ゆっくり仕掛けて下さい。

 今年の相場は、上にも、下にも動きが大きそうですので、
  (いけない! また、相場観を出してしまった)
 ゆっくり、十分な値幅を持った分割で、挑戦して下さい。

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