【基礎:PBRとQレシオの示す意味は】

「イラスト図解でやさしくわかる株式入門」松沢淳一郎 著

■PBRとはどんな指標か 

 株価収益率PERに対して、PBRとは、株価純資産倍率のことです。
 英語のPrice Book-Value Ratioを略した言葉です。

 PBRは、株価を1株あたりの純資産で割って算出します。
                
       ・・・中略・・・

■改良型PBR、Qレシオとは

 こうしたPBRの指標に、ある問題が生まれました。
 それは企業の純資産にあたる土地や建物などの簿価(貸借対照表などで使われる会計上の価格)と時価(実際の流通価格)の差があまりに大きくなったことです。

 そのため、これを修正する指標として、日本で使われたのがQレシオです。
 簿価で計算された数値をもとに、1株あたりの純資産を算出しているPBR に対して、Qレシオは時価ベースで1株あたりの純資産を算出、指標を求めています。
 
 しかし、このQレシオが生まれたのは、バブル期の異常に地価が高騰していたときでした。
 そのため、当時の異常な株価と異常な地価上昇を理論つけるための指標、との指摘もありました。

 しかし、これは日本の会計上の問題点を示しているものでもありました。
 基本的に、企業の資産を表す指標が、時価に基づいていないことに問題があるようです。
 そうした内外の批判からか、日本でも徐々に会計システムが、現在の 取得原価主義から、時価主義に移行しつつあります。

 これが完全に行われて、はじめて日本のPBRがグローバルスタンダードに対応できる指標になったと言えるのではないでしょうか。

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