【メールサポートQ&A:現渡し手仕舞い】

【ご質問です】

●●様

 ○○です。
 本日、「うねり取り通信 No.19」を拝見しました。
グラフに関する疑問が解消しました。ご回答下さり有難うございました。

 私は以前から林先生の著書を読み、実践に生かして参りました(林先生の著書には、いまひとつ納得のいかない点もあります。
 この点に関しましては追々質問させて頂きます)。
 ただ、手書きグラフに関してはPCのチャートで済ませていたのです。
 ソフトで描かれたチャートは大した値動きがなくても、かなり動いたような錯覚を起こさせる(逆の場合もありますね)という欠点があるのは承知しておりました。

 そのため、複数のチャートソフトを使用することで多少なりともその欠点を補うようにしていたのですが、これを機に手書きグラフを描いてみようと思っております。
 また、グラフ作成で不明な点がでてきましたら、質問させて頂きます。

 ところで、新たに質問させてください。
「うねり取り」通信C 値板玉帳」の内容です。

 その中に以下の記述があります。
『売りの手仕舞いは、ほとんどが、現渡し(現物を買って渡す)です。
その方が、トータル経費が安いのです。』

 確か林先生の著書にも同じような記述があったはずです。
 しかし、これは前の税制の話ではないでしょうか?

 私も空売りをしますので(信用口座を開いたのは税制が変わってからです)、林先生の本を見たとき「え?」と思い調べたのですが・・・。
 そのときは前の税制の話ということで自分なりに納得したのですが。
 それとも今も現渡しの手仕舞いの方が有利なのですか?

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【回答致します】

○○ 様

 ご連絡、ありがとうございます

 「グラフに関する疑問が解消」とのこと。
 説明する立場としても、非常にうれしいおたよりです。

 これを機に、是非、手書きグラフに馴染んで頂きたい。
 手書きするということは、手間がかかりますね。
 この手間をかけること、イコールその時間、(無意識にせよ)頭脳が働いています。
 人間の頭(右脳?)は、コンピュータを超える感性が有ると聞きます。  場帳を手書きするのも、同様に、数値の変化をより鋭敏に感じ取れるようになるのだと思います。

 コンピュータで、自動的に表示される画像から受けとるものとは、全く違った感覚です。
 ・いつもと、変わった動きだが?
 ・基調に変わりないのか?
 ・勢いに変化は?
 ・陰線の数が増えたが?
 ・新値更新が止まったが?
 ・・・・
 
 1000o X 700o の大きなグラフは、値動きの傾向が見易くなるのは当然として、長期間眺めることで、うねりの周期がより把握し易くなります。
 手間をかけて作り上げた長期間の展望は、多少なりとも自信に結びつきます。
 この自信が、誇大妄想的希望と失望の間を往来している、相場実践者の心の動揺を抑えるのに有効なのです。

 是非、手間を惜しまないで、作業をお続け下さい。


 さて、ご質問の、「売りの手仕舞いは、現渡しが有利なのか?」についてですが、 正確に表現すると、証券会社の料金体系と、建て玉、手仕舞いの仕方に影響されます。

 釈迦に説法、になりますが、『我々の目的は、うねりを取ること。
   諸経費を優先的に考えるのは本末転倒』。


 これを承知の上で、経済合理的な手数料体系を選択する場合ですね。

 私は、岩井証券に信用取引口座が有ります。
 料金体系は、デイトレード中心のアクティブコースと、スタンダードの二つが有り、私の口座は、後者です。
 スタンダードコースの料金体系は、取引委託手数料のみを表示しますと、

           〜50万円    〜500万円   〜1000万円  
  現物成行    1,050         1,050       1,575
  信用成行    1,050         1,575       2,625

と、なっており、50万円を超える取引は、現渡しが有利です。
信用取引金利貸株料品貸料管理費等は、現渡し云々に影響しないため、省略)

  ※ 料金体系自体に、差が有るか否かは、証券会社によって異なるようですので、確認願います。
(丸三証券は、現物、信用とも同じ料金でした)

 私が、現渡しを好む、もう一つの理由は、
   「一括購入→現渡し」で手数料ダウン
が出来るからです。

 手順は、
  ●空売り玉は、うねりの天井を狙いますが、必ず分割します。
   (分割売買しないで、平均値を天井に近づけるのは、不可能です)
  ●それに対し、手仕舞いは、一括を心がけます。

 売買金額が100万円と仮定し、具体的に説明します。
@ 1単位空売り   累計 1−    手数料 1,575円
A 1単位売り増し  累計 2−    手数料 1,575円

(ケースその1) この2単位を、信用取引で返済すると
                手数料 1,575 X 2 = 3,150円

(ケースその2) 2単位現物買い   累計 −2  手数料 1,050
          その後、空売りを現渡し手仕舞い  手数料  0
          ※(ケースその1) に比較して、 2,100 のコストダウン

 実際は、もっと細かく分割し、まとめて手仕舞い、現渡し、しておりますので、コストダウンは、もっと大きいはずです。
 枝葉末節部分ですが、合理化できる部分は、合理化しましょう。

 なお、林先生の著書にある、「現渡しの有利さ」については、ご理解の通り、旧法にからむお話です。

追伸
 私の知識は、口座の有る証券会社限定です。
 従って、全く異なる料金体系の会社があるかも知れません。
 念のため、ご自分の証券会社に確認することを、お奨めします。

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