株式相場技法の基礎知識
【メールサポートQ&A:銘柄選定1
【ご質問です】●●様
電子書籍「相場技法入門」を購入した●●といいます。
経験は長いのですが、儲けられないので1から出直すつもりで申し込みました。
空売りも経験はあります。
損切りは、何の躊躇も無くできます。
FAI方式でやっているのですが、時間が無いためにグラフをかくなどとても時間が取れません。結局、そのため売買のタイミングが悪く引かれ玉を抱えて苦しみます。
資金は1000万です。
質問です。
銘柄選定ですが、貸借倍率が1を切ることが多くの銘柄で見られます。逆日歩のことを心配する必要は無いのでしょうか。
グラフを書く候補として選んでみたのは、
2802味の素
3861王子製紙
9062日本通運
9432NTT です。
本に書かれていた条件では、3861王子製紙、9062日本通運ぐらいしかないように思います。
2802味の素は、1000円から1500円程度の往来相場を形成していますが、過去の相場で売買すると、うまくいった場合でも年間利益はたいしたことはありません。売買回数も少ないので練習にもならないようです。
2802味の素は、やめたほうが良いのでしょうか。
9432NTTは、ITバブルの影響で過去10年では、うねり取りには適さないのですが、過去5年ほどで見るとよさそうに思います。
9432NTTも候補に入れてよいのでしょうか。
つまらない質問ですが、よろしくお願いします。
-----------------------------------
【お答え致します】
●● 様
ご質問、ありがとうございます
●●様は、全て承知の上での質問と思いますが、経験の浅い方もおられるはずですから、基本的考え方からお話致します。
「うねり取り」を教える私の立場からは、
@相場に対する考え方
A技術習得の手順
B道具とその使い方
C練習方法
を伝え
D疑問点に対するサポート
をすることと、理解しております。
うねり取りは単純です。
習得の仕方も、単純作業の繰り返しです。
しかし、単純なゆえに、「あぁ、分かった」で終わってしまい、習得が難しい側面があります。
技術の習得には、作業を伴います。
作業を伴うということは、”体で覚える”といいますか、頭の中で”納得”する工程が必要です。
おかしな日本語ですが、同じ言葉が”納得”する前と後とでは、”違う意味”を持つのです。
例えば「分割売買が重要」という言葉は、意味はすぐ分かりますね。
ところが、実際に最安値を買ったつもりが、思惑と違いもっともっと下った時に、その有利な価格で買うことを、あなたが実際に体験したとします。
この体験の後は、「ここが絶対のチャンス」と思っても、安易に大量買いをしなくなるでしょう。
これが、”体で覚える”ということだと思います。
また、私の役割とは違う部分、つまり読者の皆様の分担があります。
究極の目標は、皆様が「自立できること」、言い換えれば、「自分の感覚で、自分の判断で売買できること」 です。
作業の進み具合の確認とか、練習売買の強制とか、一切致しません。
自主的に、取り組んで下さい。
私の相場感覚は、「CSK」限定です。
言い方を変えますと、「他人の相場観は、何の役にも立たない!」となります。
皆様は、自分の感覚に合う銘柄を探し出し、自分だけの相場感覚の習得と、練習売買の繰り返しを行って頂きたい。
ということをご理解された上で(●●様は分かっておられますが)、私の感覚を交え、お答え致します。
(Q1)逆日歩銘柄に注意が必要では?
→今は、10年間のうねりを判定している段階です。
これから、何年もお付き合いする銘柄の選定です。
信用取り組みのような、短期のことは考える必要はありません。
ちなみに私は、実際の建て玉をする段階になっても、信用取り組みのような指標は使いません。
単純に、場帖(場帳)とグラフから受ける感覚が全てです。
(Q2)2802味の素は、1000円から1500円程度の往来相場を形成していますが、過去の相場で売買すると、うまくいった場合でも年間利益はたいしたことはありません。
売買回数も少ないので練習にもならないようです。
2802味の素は、やめたほうが良いのでしょうか。
→yahoo!ファイナンスの10年足をみての、私の感覚です。
上述しましたとおり、「他人の相場観は、何の役にも立たない!」のですが、個人的には、好みです。
また、年間利益率は技術レベルに左右されますから、明言できません。
売買回数も、月足が重なる期間がかなり見られますから、回数を稼げるかも知れませんね。
(Q3)9432NTTは、ITバブルの影響で過去10年では、
うねり取りには適さないのですが、過去5年ほどで見ると良さそうに思います。
9432NTTも候補に入れてよいのでしょうか。
→相場は、個人の責任とリスクでするものです。
この部分は、月足をみて、ご自身の感覚で判断する必要があります。
私の感覚では成長期が過ぎ、枯れてきた銘柄の雰囲気があり、おっしゃるように、うねり取りにいい感じですね(*^_^*)
ちなみに、「9062日本通運」は、うねり取り実践者のすばらしい建て玉を見られます。
「うねり取り通信No.28」を参照願います。
最後に、ご質問の中で最も気になった点について。
●●様は、「時間が無いためにグラフをかくなどとても時間が取れません」と、おっしゃっておられますが、ご本心とは思えません。
月足の作成と読み方は、FAIの真髄の一つと、ご承知と思います。
これを外しては、FAI方式とは言えません。
なにか、潜在的な疑念があり、行動に結びついていないのでは??(間違っていたら、ゴメンナサイ(^_-)-☆)
私の場合は、月足26年と、日足7年ほどですが、面倒な作業を繰り返し続けたことが、自信に結びついているような気がしております。
建て玉は、常に未知への挑戦です。
常に、期待と不安が交錯します。
ここで、あやふやな信念では、玉を持ち続ける苦痛に耐えられません。
面倒な作業を続けることこそが、あなたの財産形成の必須要件です。
是非とも、お続け願います。
【株式相場技法】
◆相場技法の種類
◆三種の神器
◆投資の常識
◆既に株をお持ちの方へ
◆空売り
◆練習売買・王子製紙
◆勝ち続けるには
◆自分の感覚を大切に
◆新聞の整理
◆具体的帳票活用と銘柄選定
◆習得期間
◆酒田新値
◆メールサポートご挨拶
◆場帳・業績推移他様式
◆玉帳・値板様式
◆よりどころ
◆日足記入方法
◆損切り
◆分割売買
◆株式分割時のグラフ
◆うねり感覚の習得
◆相場技法・うねり取り
◆うねり取り(2)
◆うねり取り(3)
◆うねり取り(4)
◆うねり取り(5)
◆現渡し手仕舞い
◆順行か逆行か
◆ローソク足か折れ線か
◆罫線グラフへの慣れ
◆利益の伸ばし方
◆自社株買い
◆銘柄選定
◆切手屋/地場筋
◆銘柄選定その2
◆銘柄選定から練習売買
◆銘柄固定から一ヶ月
◆ミニ株活用
◆平均値の求め方
◆自分だけのルール作り
◆千円を跨るグラフ
◆値動きの受け止め方
◆日足作成のポイント
◆ツナギ売買
◆私の愛読相場書
◆相場書のまとめ方
【株式投資の基礎知識】
◆EPS・PER・PCFR
◆ROE・ROA・ROI
◆空売残高と空売比率
◆オプション・ストックオプション
◆BBレシオ
◆信用取引とは
◆委託保証金(証拠金)
◆信用取引の費用
◆制度信用取引と一般信用取引
◆貸借取引と貸借銘柄
◆証券金融会社と貸株
◆信用取引残高と信用倍率
◆規制措置・規制銘柄
◆差金決済・転売・買戻し
◆受渡決済・現引・現渡
◆弁済期限・期日・期日明け
◆株式分割と権利処理価格
◆金利(日歩)と逆日歩
◆委託保証金・信用余力・追証
◆空売り・つなぎ売り・ドテン
◆買残高と評価損率
◆株式投資指標の種類
◆PERの示す意味は
◆PCFRの示す意味は
◆PBRとQレシオの示す意味は
◆証券取引所
◆株式累投(るいとう)とミニ株
◆保護預かり/保管振替制度と単位株
◆証券総合口座とラップ口座
◆店頭市場とJASDAQ
◆インサイダー取引