【メールサポートQ&A:酒田新値】

【ご質問です】

●● 様
いつもお世話になっております。
相場技法入門」を読んでおりますと、しばしば「順行逆行)新値」と言う言葉が出て来ますが、
酒田新値を使われているのでしょうか?
 使っているが、ただ単に目安的に使われているのか?
 場帖に記入されているのか?
 お教え下さいます様よろしくお願いいたします。

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【回答致します】

○○ 様
 おはようございます

 早速ですが、「酒田新値を何に使っているのか?」について、次の3項目の順で、説明いたします。
(1)酒田罫線法とは何か
(2)酒田新値の確率
(3)酒田新値・目的と活用のしかた
 
 本日の内容は、相場感覚の養成に関連した、固有のやり方(個人個人のお好み)に属することですので、標準的な考え方、やり方と誤解されないよう、ご留意願います。



(1)酒田罫線法とは何か

 詳しくは、「定本 酒田罫線法」林輝太郎著 をご覧になって下さい。

・定説は、「山形県酒田の本間宗久が創案したもので、日足を用いて、米相場の強弱の判断、売買の規範を示したもの」
  
・諸説あるが、きわめて一貫した特色は
  @日足であること
  A陰陽の箱型の書き方をすること
  B線の組み合わせで、相場の強弱を判断すること
  C陽線新値陰線新値など、いわゆる酒田新値の数え方を伴っていること。
  D酒田新値による売買法(建て玉法)を用いること
  E一般にいう、「大勢の見方」が、欠けていること
  F値の予測が全くないこと

・定義づければ、
  「日足を用い、独自の新値の数え方と集合形の見方とともに、それによる具体的な売買法まで一貫している罫線法である


(2)酒田新値の確率


・ここでいう酒田新値の本数とは、上げ相場での押し目、下げ相場での戻りのこと。
 従って、上げ相場での名称は、「逆行陰線新値○本」、下げ相場では、「逆行陽線新値○本」と、”逆行”の文字がつく点にご注意下さい。

・林先生の株と小豆を使った調査では、
  ■上げ相場途上の押し目が陰線3本までで終わる確率は、 86.6%
    もう一つ、別の統計では、 81.1%
  ■下げ相場途上の押し目が陽線3本までで終わる確率は、 86.4%
    もう一つ、別の統計では、 83.1%
 と有ります。

(3)酒田新値・目的と活用のしかた

 確率50%を、僅かでも越せば、「必勝法」と騒がれる相場社会において、80%を超えることは、驚異ですね。
 私は、この確率にあこがれた?のです。

 日足を陰陽足ローソク足)で描いている理由は、もう一つありますが、それは、別の機会に説明させて頂きます。

 では、上記3本までの、統計を5本に拡大すると、どういう結果が得られるかというと、
  ■上げ相場途上の押し目が陰線3本までで終わる確率は、 95.0%
    もう一つ、別の統計では、 97.8%
  ■下げ相場途上の押し目が陽線5本までで終わる確率は、 98.9%
    もう一つ、別の統計では、 99.1%   

 !!!!! どうです !!!!!
 95%超の確率に、飛び上がったのではないですか?

 この確率を利用しないのは、落ちているお札を拾わないことと同じですよね。
 この確率を読み替えて、天底転換のルールを作りました。

  ■逆行3本までは、乗せる方向。
    4本出たら、ドテン準備。
    5本で、ドテン。

 「どんな罫線も、100%当るものは無い」ことを、身にしみている私は、まず、この確率が、○○○にあてはまるかどうか、過去の日足で検証。
 これはいけると確信し、逆行だけでなく、順行新値本数も数えております。

 ご質問の答えは、場帳に記入ではなく、グラフに薄く数字を書いております。
 ただ、機械的に盲信は、しておりません。
 事実、逆行新値4本或いは、5本出た途端に、順行に移る経験も、昨年だけで5回ほどあります。

 あえて理屈っぽい表現をしますと、
  「日数と、逆行値幅と、場の勢いと、株価水準を感覚的に総合して判断」と、いえるでしょうか。

 同じように、順行本数も、捉えております。
  9本から13本くらいで終わることが多いですが、30本近いこともありますから、建て玉の判断基準としては、弱いですね。

 10本くらいの本数が出ますと、日数(ウネリの周期)的にも、「三月またがり60日」の対象に重なってきます。
   
 日足の組み合わせで判断する、酒田罫線の”型”につきましては、私は、全く無知、未熟なため、各自の研究にゆだねます。
 「うねり取り」よりも、周期の短い「リズム取り」へ進まれる方には、有益かも?

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