【基礎:信用取引とは】

 通常株式を買い付けする場合、自分の資金で全額購入します。
 もう一つの方法は、証券会社からお金を借りて株式を購入することもできます。
 これが、信用取引です。

 また、持っている株(現物株)を売ることもできますが、もっていない株を証券会社から借りて売却することもできます。
 証券会社側から見ると、お客様に資金を融資したり、株券を貸したりして、「信用供与」するため、信用取引といわれています。

 取引は、
  ●資金を借り入れての買い付け→「買い新規」
  ●株券を借りての売却    →「売り新規」
から始まります。

 現物株は、いつまで持っていてもかまわないですが、通常の信用取引には、決済期限があります。
 制度信用取引では、6ヶ月以内で決済する必要があります。

 決済方法には、買い付けもしくは売りつけている株式等を反対売買(転売もしくは買戻し)によって差金で決済するか、売りつけ株券を提供し代金を受け取る(現渡品渡)、または貸付代金を提供し株券を受け取る(現引品受)、実物の決済(受渡決済)による方法があります。
   
 反対売買による決済注文には、
  ●「買い新規」の場合→「売り返済」
  ●「売り新規」の場合→「買い返済」
して、差金(差損)を受け取り(支払い)ます。

 信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類あり、貸借取引を利用できるのは制度信用取引のみです。

 信用取引を行うには、証券会社は顧客に信用取引制度の概要を記載した説明書を交付し、顧客はその内容について十分理解した上で、証券会社に「信用取引口座設定約諾書」を差し入れ、口座開設しなくてはなりません。

 信用取引は高い収益を得られることがある反面、思わぬ損失を被る危険性を併せ持つ取引で、仕組みやリスクを理解した上で利用することが求められます。
 また、ともすれば投機色の強い利用となりやすいため、信用取引を行う顧客については、証券会社ごとに信用取引開始基準が設けられています。

 信用取引は、売買にあたりその代金や株券等を全て用意して行う現物取引に加え、このような取引を導入することで、市場の厚みを増し、円滑な株式の流通を図るとともに、公正な価格を形成することを目的としています。
 
 信用取引は、現物取引と比べて「リスク」が高いといわれています。
 信用枠一杯に建て玉した場合、単純計算ですが、保証金率40%では、2.5倍、保証金率30%では、3.3倍の損益増幅効果があります。

 ついつい欲が出て、思いっきり乗せたところで、逆行して損金激増は、誰しも?経験するところです(泣!)

 私は、「買いは現物」、「売りは信用」を徹底しておりますので、買いの金利で泣いた経験はありませんが、「空売り」で『青天井の恐怖』は味わったことがあります。

 ストップ高を含め、2日で250万円の値洗い損失でした(;_;)

 最後に、信用取引で、忘れてならない重大なこと。
 債券市場の設立目的の一つは、市場参加者にヘッジの場を提供すること

 信用取引は、小額の資金で、大量の株を売買するためにあるのではない。値下がりに対するヘッジのためにあるのだ。

 とすれば、我々は「空売り」を活用できる「うねり取り」、「サヤトリ」等の技術を磨き、収益の安定を心がけるべきであろう。

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