住所 群馬県伊勢崎市下触町
探訪日 2008年3月５日 晴れ
国道17号・上武バイパスの波志江沼東側の交差点を北上し、国道５０号との交差点手前
約100mの左手です。
地図には、万徳寺という印がありますが、石山観音堂の管理もしておられるようです。
道に隣接した駐車場に止め、その隣の坂道を登ります。
坂の両隣は墓石群、南面の急な階段を上がると、仁王門に到着します。
【石山観音・仁王門】
階段をあがったすぐ、仁王門手前の石段より
撮影。
歴史を感じさせる門の両側に控える仁王様は
装身具と共に、きれいに補修されております。
門の建物の傷みが激しいのと対照的に、
仁王さまが綺麗過ぎるので、違和感を覚える
のは私だけでしょうか？
素人の私には、材質の判断ができませんが、
木製なら木目の露出が欲しいし、漆喰なら不純物
の荒れが欲しいところ。
【竜と仁王さま】
手水鉢を見守る竜と、仁王門を南西の方角から
撮影。
仁王様は、きれいに補修されてます。
その綺麗さが、新建材・プラスチックの印象を
受けるのは、見方がおかしいのか？
中央の竜は小さなものですが、アングルでの
いたずらを狙いました。
印象に残りましたでしょうか？
【ワニ鐘堂】
仁王門をくぐってすぐに、ワニ鐘堂があります。
直径約１ｍ 歴史的価値のあるワニ鐘では、
日本最大とのこと。
大きいだけに、低音の魅力です。
昔は、祭りになると街道は馬で賑わった。
お払い？に、ワニ鐘を鳴らした下をくぐらせる
のですが、馬が怖がってなかなかくぐらなかった
というお話を聞きました。
【ワニ鐘・ローアングル】
ななめ下からのアングルで撮影
表面は、緑青が吹き、周囲の一部が欠けておる
ところは、やはり、歴史を生き抜いてきたという
ことでしょう。
意外に、肉うすな印象です。
そういえば、立派な鐘があったそうですが、
戦時中に供出したとのこと。
肉が薄かった（溶解しても、たくさん銃弾が
できない）ことで、後世に残されるとは、皮肉な
運命です。
【ワニ鐘・正面】
梵字？のような面白い模様が鋳造？されて
おりますが、基礎知識の欠落している私には、
解読できません(~_~;)
【鐘 堂】
これが、戦時中に主の釣鐘を失った鐘堂が
残されております。
彫刻、屋根裏の木組み、力を受ける梁の
複雑な組み合わせが見事です。
細部を見ると、風化が進んでいますが、現在
これほどの技術をもつ宮大工さんの数は、
どれくらいおられるのでしょうか？
よしんば、いたとしても、檀家が少なくなった
現在では、果たして修理代が集まるのかしら？
【石山観世音・本殿】
本殿の見事な彫刻に魅せられました。
ところが、軒天を良く見ると、丸い穴が所々に
あります。
想像するに、こうもり、ムササビ・・？
この穴を放置しておけば、天井裏から腐ってしまう
可能性が大でしょう。
早急な処置が必要とみました。
でも、資金難で難しいのでしょうか？
写真の彫刻の上の軒天ですが、私には新建材
で補修したように見えました。
資金と、技術の関係で、文化財が朽ち果てる
のは寂しいものですね。
【石山観世音・本殿】
上州観音霊場 三十三ケ所 第十二番 という
看板の文字が読めます。
秩父札所が有名ですが、上州にも札所があった
んですね。
あらためて、「石山観世音」の位置づけを
訴えている貴重な資料です。
【石山観音・本堂裏手の石組み】
石山観音・本堂裏手は一番の高台になり、
そこに大岩が露出し荘厳な風情です。
まさに、「石山」の名のごとく、岩盤が露出した
山（小高い丘？）ですね。
最初見たとき、自然石を積み上げて作った
のかな？と、ひとまわり巡ってみました。
ところが、どうやら自然に出来たもののよう
です。
大岩と大岩の断面が合致するものが複数
見受けられます。
岩山の上部に、馬頭観音の大きな石碑が
建ててありますが、クレーンが無かった当時の
建築技術に驚かされます。
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