「手に取るように金融用語がわかる本」
三菱総研経済調査部 監修 より
■店頭市場 Over-the-counter Market
証券会社店頭での売買が認められた株式の流通市場。
成長企業、ベンチャー企業の数が多い。
証券取引所を通さず、証券会社の店頭で株などを売買することを、 「店頭取引」といいます。
株の場合、店頭取引されるのは、日本証券業協会の掲げる一定の基準 (店頭登録基準)を満たした未上場のものだけです。
株が店頭取引されるようになることを店頭登録(店頭公開)と呼んでいます。
店頭登録された株を売買する市場は店頭市場と呼ばれ、証券取引所と共に株式市場の一角をなしています。
店頭登録基準は上場基準に比べて緩いですが、「いずれは上場してやろう」と意欲的な経営をする中小企業が多いため、店頭市場に注目する投資家も、たくさんいます。
90年代に入って店頭登録基準が緩和され、いっそう取引が活発になっています。
また95年には、ベンチャー企業の育成を目的に、まだ黒字化していない企業でも登録できる「店頭登録特別銘柄制度」が導入されました。
なお、アメリカの株式市場では、すでに店頭登録銘柄がニューヨーク証券取引所上場銘柄の3倍に達しており、出来高も同取引所を上回るほどに成長しています。
■JASDAQ Japanese Association Securities Dealers Automated Quatations
日本のオンライン店頭取引システムの通称。
証券会社をオンラインで結び、迅速な取引を可能にした。
「株式店頭市場機械化システム」の通称で、日本の店頭取引をより円滑にするために導入されたオンラインシステムのことです。
アメリカ店頭市場に導入されている、店頭株価のオンライン自動通知システム「NASDAQ(ナスダック)」にならって、この呼び名(ジャスダック)がつけられました。
日本には、証券会社の共同出資で「日本店頭証券株式会社」という店頭株売買の仲介を専門とする会社が有り、以前の店頭取引はここが一括して売買注文を受け付けていました。
しかし、これは手作業で売買契約を結ぶというもので、売買成立に時間がかかるという問題が有りました。
そこで、1991年、取引のいっそうの活性化と効率化を目指して、この日本店頭証券と日本証券業協会、証券会社を結ぶコンピュータネットワークが導入され、オンラインで取引できるような仕組みが作り上げられたのです。
このおかげで、証券会社や投資家はコンピュータで売買ができるだけでなく、いつでも店頭株の価格を知ることができるようになりました。
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