「スマートマネー流株式選択術」
ネリー・S・ファン+ピーター・フィンチ著
■回転率 turnover ratio
ファンドの取引履歴を見る尺度で、パーセントで表示される。
ファンドの回転率が100%の場合は、一般に全ポートフォリオの組み入れ銘柄を、毎年丸ごと入れ替えていることを意味する。
回転率は20%〜30%と低めなら、バイ・アンド・ホールド戦略を採用していると見ていいだろう。
逆に、回転率が100%を超える場合は、売買をかなり頻繁に繰り返すような投資戦略を取っていると考えられる。
回転率の高いファンドほど、売買委託手数料がそれだけかさんでいることになる。
また、絶えず利益を実現させているため、回転率の低いファンドよりも、キャピタルゲイン(実現売却益)を多く分配する傾向がある。
ファンドの回転率の全体的なパターンが変化したときは、市場環境の変化や、運用スタイルあるいは運用方針の変更が有った可能性がある。
■買戻し手数料 redemption fee
ミューチュアルファンドを換金(解約)するときに課せられる手数料。
バックエンドロード(後払い販売手数料)とは違い、この手数料は、ファンド会社の懐には入らないが、ファンドそのものに戻されるため、差し引きすれば、株主(受益者)にとって費用となるわけではない。
また、買い戻し手数料がかかるのは購入後一定期間だけで、通常は、購入後30日か、180日あるいは365日経過すれば、手数料はかからなくなる。
こうした手数料を課すのは通常マーケットタイマー(ファンドを短期売買する人)の動きによってファンドがかき乱されるのを防ぐ意味合いがある。
買い戻し手数料は換金額の1〜2%が普通(訳者注 ミューチュアルファンドは本来、投資会社の株なので、投資家からの解約があれば、ファンドがその株式を買い戻す形になる)。