学校では決して教えないことですが、お金に関する知識の有無は、人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。 |
||
「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 比較的少数の裕福な投資家から大口の資金を集めて、リスクは高いが 期待利益も大きい金融商品で運用する、特別な投資信託のことを ヘッジファンドと呼びます。 ヘッジという言葉は、現在のポジションを打ち消すような取引をしてリスクを軽減 することを通常は意味していますが、ヘッジファンドは、オプションや先物といった 金融デリバティブズをテコのように利用して、大きなリスクを取ることで高い 利回りを目指しています。 ヘッジファンドは、高いリスクに耐えられる富裕層からしか資金を集めることが 出来ませんが、その半面で資金を拠出している投資家が少数であるがゆえに、 規制や監督の対象となりませんし、米国においてもSECへの登録や情報開示 の必要が有りません。 このようにヘッジファンドは、規制や登録の対象となっていないため、その 種類や金額は正確にはわかりませんが、IMFのレポートによると1997年末現在 で、全世界で1000億ドルを越える資金がヘッジファンドに運用されていると推定 されています。 1992年の欧州通貨危機や1997年のアジア通貨危機に際しては、 ヘッジファンドがその大きな原因となり、かつ危機を利用して巨大な利益を上げた のではないかと話題になりました。 ただ、もともとヘッジファンドは高いリスクを前提に、高い利益率を狙う運用を 行っているため、常にそうした投資が成功するとは限りません。 例えば1998年にはLTCMという米国のヘッジファンドの経営が実質的に破綻 しました。 なお、最近では世界的に景気低迷が続く中で、伝統的な資産運用の手法では 利益を上げにくくなっていることもあって、ヘッジファンドの運用手法や顧客も多様化 しています。 ヘッジファンドは、ハイリスクハイリターンを求める顧客以外にも、サービスを 提供しているというわけです。 |