「手に取るように金融用語がわかる本」
三菱総研経済調査部 監修 より
■ALM
金融機関の経営分析の手法で、金利や株価の変動による資産・負債の動向を監視・管理すること。
資産(Assets)と負債(Liabilities)を総合的に管理(Management)する という意味で、金融機関がリスクを予測しながらできるだけ高い収益を確保するための手法として、最近注目を集めています。
例えば銀行は「安い金利で資金を集め、高い金利で貸し出す」のが基本です。
しかし、貸出金利・預金金利は毎日変化していますから、貸出金利と預金金利のバランスも常に変わります。
つまり、変動金利の預金を沢山受け付けている銀行は、金利が高くなっただけで,収益に悪影響が出るわけです。
すぐにそれを補う方法を考えなければならないでしょう。
そこで銀行は、金利の動向をチェックしたり、現在どれぐらいの金利・期間の預金・貸し出しがあるのかを確認し、リスクを回避する必要が有ります。
これがALMです。
銀行のみならず他の金融機関や投資家が着実に収益を上げていくために、非常に重要な考え方です。
なお、この考え方は「企業年金」などにもあてはまります。
すでに厚生年金基金が社員から集めた年金保険料を受託した信託銀行などが、資金をより効率的に運用するために、ALMの考え方に基づいて,運用成績の予測や運用戦略の助言などをするというサービスを、「年金ALM」という名称で提供しています。
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