宿波志江・屋台囃子保存会

   <波志江祇園祭・愛宕神社大祭

  住所   群馬県伊勢崎市波志江町                        いせさきまつり2009
  参加日  2008年10月18日〜19日 両日とも快晴

  「いせさき市重要有形民俗文化財指定記念」行事として、三郷地区挙げての
波志江祇園祭愛宕神社大祭大燈呂)」が開催されました。
 記録が残っていると思われる大正時代以降では、10台の屋台(本屋台)が境内に
揃ったのは、大正4年9月24日、対象11年9月24日、昭和3年10月17日、
昭和56年10月17・18日、平成12年10月14・15日の5回。
 今回は、8年ぶりの6回目になります。
 
  伊勢崎市内には、戦前からの屋台山車が29台残されているが、波志江町には、
その内の10台(34%)が現存します。
  後述の「重要有形民俗文化財」の指定理由を読みますと、各屋台の作成時期は、
江戸末期から明治時代にかけての作品とのこと。

  その10台全ての屋台が、愛宕神社に集結し、屋台囃子の奉納と曳き回し
演芸奉納等が行われました。

  ちなみに、我が「宿波志江」の屋台が一番古く、歴史的価値が高いとのこと。
  また、波志江の屋台囃子は、「喧嘩囃子」といわれ、10台の屋台全てが同時に
演奏する時、境内にいる人全てをトランス状態に導いてくれます。
           祇園祭を心から楽しむ人々(←下線文字をクリックすると、別ページが開きます)

       【愛宕神社境内に集結した本屋台の屋台列】


  
 荘厳に飾り付けた10台の屋台列は、見ているものを飽きさせません。
 日光東照宮といえば、「眠り猫」とか「三猿」が有名ですが、東照宮を作り上げた彫刻師、
大工たちが、帰り道に衣食とひきかえに、作ったものというお話を聞きました。

 「波志江の屋台 伊勢崎文化財資料集1」によれば、江戸時代末期、波志江の戸数は約300。
 そのころ「十一組」ということは、一組は30戸足らず。
 この戸数で、どうしてこんな立派な屋台が作られたのか?不思議です。
 苦労話と伝説が語り継がれているそうです。

          【宿波志江・屋台囃子の演奏者】

  我が宿波志江の屋台囃子の演奏者たち。
   「さんてこ」、「ころがし」、「昇殿」、「大間」・・・多くの曲目ができる優秀なチームです。

             動画と音声をお楽しみ下さい↓(△印をクリック)



  以下は、お囃子の先生からのお話です。
    まず、ちびっ子達にも教えている基本的な囃子『さんてこ
     このさんてこの中には『きりかえ』『ころがし』(『ころばし』ともいいます。 正式にどちらが正しいのかは私には
   分かりません)が入っています。
     順番は必ず 『さんてこ』→『きりかえ』→『ころがし』の順で、これをぐるぐると演奏して います。

     高学年以上に教えているのは  『昇殿』『神田囃子』『大間(おおまと読みます)』『きりん』『おうま』です。
     他にもいくつか囃子がありますがまだ子供達に教えた事はありません。
      『昇殿』は体を揺すってリズムにのって演奏する曲です。
      『神田』は長くて早い囃子です。
      『大間』はゆ〜っくりな曲。
      『きりん』と『おうま』は短めでリズムカルな曲です。
      この囃子を演奏するタイミングは今は気にせず好きに演奏してますが、 おおもとは屋台を曳く道の様子で
   変えてたそうですよ。 上り坂・下り坂を曳く時の応援みたいに。


       【宿波志江・本屋台の飾り人形】


 宿波志江の飾り物(飾り人形)は、「川中島の決戦」
 お馬さんも含めバランスよく収まり、迫力満点。
     10組の屋台、それぞれインパクのある飾り人形(←下線文字をクリックすると、別ページが開きます)

 各屋台には、床下に発電機が装備され、暗くなると提灯と照明で盛り上げます。

             【岡屋敷組・本屋台の彫刻】


 正面の見事な彫刻ごらん下さい。
 (正式の呼び名は、屋根の上の彫刻を鬼板、その直下が懸魚欄間彫刻の下は
差鴨居、側面に半分ほど見えるのが脇障子で、障子の上に乗っているのが木鼻
言うそうです。)
 ここまでできる彫刻師彫物師)は、日本に現存するのでしょうか?
 屋根の見事な曲面(単層唐破風屋根)は、100年以上経ったも今も、大きな狂いは出ておりません。
 
 「いせさき市重要有形民俗文化財」に指定された、屋台の保存はもちろん大事ですが、
この屋台行事の魂、「屋台囃子」の演技等のソフトも併せて保存すべきでしょう。

 今回、「波志江祇園祭」は、8年ぶりに開催されました。
 宿の屋台は、完成姿のまま屋台庫に格納されますが、他の組では、祭りのたびに
組立・解体をしている屋台もあるそうです。
 現在完成品のまま格納保存しているのは、「新宿」、「宮貝戸」、「宿」ともう一組の
4台のみ。
 他の6台は、祭りのたびに組立・解体しています。
 当然、一日では終わらず、数日かけるそうです。
 
 現在までに何度組上げられたことでしょう。
 それでも、本体がしっかりしているのは、驚異的な技術を持っていた証です。
 改めて、大切に受け継がれることを切望します。

 組立・解体される屋台は、組み上げるのに”かけや”等使いますから、どうしても
傷みが激しいようです。
 また高齢化に伴い、組立技術・保管技術の継承を心配する声も聞かれます。




       屋台は車輪が固定された構造ですから、方向転換には特殊な技術が必要です。
 
  方法は、屋台を梃子でこじ上げ、左写真の「ちゃん台」と呼ばれる
 架台に、屋台の中心軸を乗せます。
  そして、全員の力でバランスをとりながら、望む方向に回転させます。

  屋台の重量は、4トン近くあるらしいのですが、これにお囃子の10人
 を乗せて回転することになります。
  この小さな木製の台で、全重量を支え、まったく損傷しないのは
                 不思議です。
                  屋台側の重心部の出っ張りも、一点で総重量を支えるため、
                 構造(架構)には特殊な工夫があるようです。

  愛宕神社の境内で行われる「曳き回し」は、上記「ちゃんがけ」で方向転換し
 飾り物(飾り人形)を神殿の方向に奉納したり、屋台囃子を奉納したりします。

      全員の心を揃えた「曳き回し」を動画でお楽しみ下さい。
                         ↓(△印をクリック)
          



 伊勢崎の屋台に共通する特徴の一つは、組立式であること。
 材料は白樺、全体が白木彫りで、祭りの度に磨き上げられ重厚感を増している。

 屋根の張り出し彫刻(鬼板懸魚)で、最大を誇る中之面(中野面)組。
 波志江屋台の彫刻は、どの屋台も色付けが少なく、渋みと落ち着きがあります。
  
 いぶし銀のように艶のある彫刻は、唐辛子(防虫効果)をいれ煮詰めた菜種油で、
磨き上げたもの。
 歴史の知恵が、散見されます。  






 屋台横に張り出した扉(脇障子)の
透し彫り彫刻。
 この複雑さをご覧あれ。
 前述の著書によれば、彫刻は白木彫りが
主流で、手法は、平彫り、丸彫り、籠彫りを
組み合わせた、繊細なもの。

 さすが、日光東照宮を手がけた彫刻師たち
です。

 各屋台の透かし彫り彫刻は、それぞれ特徴
があり、どれひとつ同じものはありません。

 透かし彫りで面白いと思うのは、裏と表が
違うテーマなのに、前から見ても後ろから
見ても不自然さがないことです。

 私は趣味で神社を巡っておりますが、
拝殿と本殿の脇障子の透かし彫り彫刻には
目を見張るものがあります。
 神聖な屋台も、その様式を引き継いで
いるのでしょうか?


 屋台彫刻のすばらしさ (←下線文字をクリックすると、
                  別ページが開きます)





       お祭りには、笑顔が一番! 
    別ページに写真が一杯ありますよ〜祇園祭を心から楽しむ人々(←下線文字をクリックして下さい)


       こ〜んなに真剣な練習を繰り返すのです!
     別ページに写真が一杯ありますよ〜屋台囃子・練習風景  →いせさきまつり2009



  4mを越す屋根の上からの眺めは最高です。

  しかし、タイヤは木製、サスペンション無し、
 動いている間はラクダのように、常に揺られ
 ます。

  おまけに、「ちゃんがけ」時は、一気に
 方向転換します。
  この時、支点から遠い場所は、遠心力で
 振り回されますから、非常に危険です。






 高さ的には、二階建ての屋根の上って感じです。
 不思議なもので、長い時間乗っていると、感覚が麻痺するのでしょうか?地面とあまり違わない
感覚になりました。
 チャンがけ中は、振り回されて危険ですが、移動中は快適です。
 ゆらゆら揺れる不安定さが、楽しみになりました。

 岸和田のだんじり関係者からメール頂きましたが、屋根の上で飛び跳ねたくなる心境が
納得できました。


  
 祭りの華やかさとは裏腹に、有形・無形の民俗文化を保存するのが難しくなる現状が
あります。
 各屋台には、それぞれ作成にまつわる逸話や、行事遂行の苦労話や喜びが満載して
いるはず。
 その全体を系統だったものにまとめれば、読者の皆さんに有意義な情報提供ができるし、
有形・無形文化財としての価値が上がり、誇りを持って活動に参加することができます。
 また、町民にも興味を持つ人が増え、参画人員増、若い世代への伝承が円滑化される
のではないか、と考えますがいかがでしょうか?

 続きは、丸男さまの「Go!いせさき イベントの紹介」掲示板にて、悩み打ち明け中。
 よろしければ、あなたのアイデアをお聞かせください。


伊勢崎市指定重要民俗文化財・指定理由 「波志江の屋台 伊勢崎市文化財資料集1」より抜粋 
   伊勢崎市内には、戦前からの屋台・山車が29台残されているが、そのうちの10台が波志江に集中している。
  この「波志江の屋台」は、旧波志江村の各組ごとに製作されており、年紀の判明する4台を含む多くの屋台は、
  江戸時代末期から明治時代にかけての作品と考えられる。
        ・・・中略・・・
    このように「大灯籠」は断続的に行われてきたが、「波志江の屋台」全10台を曳き揃えた様は壮観であり、
  市域の中でも貴重な屋台行事である。
    屋台は張り出し舞台をもたない飾り屋台の形式であり、祭礼時には全室の舞台に人形を飾り、後室の囃子場
  で演奏し、祭礼空間をより華やかに演出するものである。祭りにかける人々の心意気が息づく屋台装飾
  見応えがある。
    屋台は正面1間側面2間の木造軸組みと唐破風屋根をもち、祭りのたびに組立・解体される仮設建築である。
  各部材の接合にはほぞや木栓・竹栓などを用いており、組立・解体のための技術的工夫が随所に認められる。
    構造は比較的簡明な古式の架構形式であり、屋根周りに密度の高い彫刻を飾る点に特徴がある。
  とくに鬼板彫刻欄間彫刻などに優れた意匠を有しており、大工や彫物師が判明する屋台も認められる。
  「波志江の屋台」は、大工彫刻を多用した北関東の近世寺社建築との関連を探る上からも、貴重な資料である。
・・・

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     →川越まつり・見学

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