＜外国為替取引の基礎知識＞　　

　　　　　　　　　「図解雑学　通貨と経済」　野村重治　著

●先物為替と通貨先物の違い

　　　　一つ注意しなければならないのは、通貨先物
　　（Currency Futures）と先物為替（Forward Exchange）は
　　違うものだということです。

　　　　実は、先物為替は、本来、先渡し為替と呼ばれるべき
　　ものですが、慣例で先物為替と呼ばれています。

　　　　両者の違いは、為替の受け渡し日までに反対取引が
　　出来るかどうか、或いは差金決済が出来るかどうか
　　などですが、先物為替ではそれらができません。



●通貨先物取引

　　　　通貨先物は、シカゴ･マーカンタイル取引所などの
　　取引所で扱われています。
　　　　通貨ごとの最低取引額や通貨の種類、受渡期日などが
　　定型化されています。

　　　　通貨先物では、例えば6ヵ月後に、1ドル=100円で
　　100万ドル売りたい場合、100万ドル持っている必要は
　　有りません。
　　　　反対売買による差金決済が可能なので、仮に契約時
　　に1ドル=97円であれば、その場で100万ドルの買い取引を
　　行って、それを6ヵ月後の売り契約と相殺するわけです。

　　　　その際の差額は、取引を始める際に取引所に収める
　　証拠金を通じて決済されます。
　　　　差額がプラスなら取引所から差額が支払われます。
　　もしマイナスなら証拠金から差し引かれます。

　　　　証拠金は総取引額の10％程度でよいため、手持ちの
　　10倍程度の資金を動かせます。
　　　　ただし、証拠金は一定額以上を保たなくてはならない
　　ので、損失が続けば、証拠金を足す必要が有ります。
　　　　これを追証といいます。

　　　　通貨先物では、受渡期日までに反対売買が出来るので
　　、その間の為替リスクをコントロールしながら、将来の
　　為替売買額を確定することが出来ます。