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「図解雑学 通貨と経済」 野村茂治 著
●通貨における名目上の価値 私たちは給料を受け取ったら直ぐに全部使うわけではなく、使うまでに何らかの 時間が経過します。 つまり、貨幣は価値を蓄えておく価値貯蔵手段として機能します。 しかし、貨幣の実質的な価値は変動することがあります。 物価がどんどん上昇している状況では、貨幣の実質価値が下がりますが、 貨幣の実質価値が下がると、貨幣の価値貯蔵手段としての機能は低下します。 なぜなら、貨幣の額面は変わらなくても、モノを買う購買力が低下していくので、 人々は貨幣を手放してモノ自体を手に入れておいた方がとくになるからです。 逆に、物価が下落している状況では、貨幣の実質価値が上昇するので 人々は貨幣を蓄えて消費を控えるようになります。 ●貨幣が持つ流動性 価値の貯蔵手段を選択するとき、利子や利益を稼ぐことができる 資産(債権・株・土地)が有るにもかかわらず、なぜ人々は貨幣を保有 するのでしょうか。 それは貨幣が最も高い流動性をもつからです。 流動性というのは、コストをかけずに交換手段(現金)に変える ことができる容易さの程度を表します。 例えば土地を持っていても、それですぐにアイスクリームを買う ことはできません。 土地を交換手段としての貨幣に変えるには、多くの時間とコストが かかります。 しかし交換手段そのものである貨幣ならば、コストをかけずに 容易に財を手にすることができます。 このように、貨幣には流動性という特質があるので人々が保有 する理由になるわけです。 |