学校では決して教えないことですが、お金に関する知識の有無は、人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。 |
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「債券の基礎知識」 角川総一 著 外債投資に際してのリスクの一つとして、債券の発行者の経営が破綻するなど で利子あるいは元本の支払いが行えなくなる可能性を考えておかねばならない。 米国では古くから、債券の発行者のリスクを図る指標として格付け(レーティング) が利用されている。 これは債券の発行者がその発行した債券の利子ならびに元本の支払いの 確実性がどの程度であるかを簡単な符号でランキングしたものだ。 米国ではムーディーズ社、S&P社(スタンダードアンドプア社)などの業者が、 この種の債券発行企業、団体の格付け機関として有名だし、日本でも 日本公社債研究所、日本格付け研究所、日本インベスターズサービスなどが 格付けを専門的に行っている。 債券の発行者の経営が破綻することは滅多なことでは起こらないと思われる が、利子が払えなくなったり、最悪の場合には元本すら返してもらえないという 危険性も全くゼロではない。 まさか米国が発行した債券(国債)がこのような事態を迎えることは想定しにくい が、現在証券会社が扱っている外貨建て債券の中には必ずしも信用力に おいて全く不安のない発行者だけとは限らない。 実際に投資するに際しては、最低限以上のリスクを充分に考慮したうえで 踏み切る必要がある。 具体的には証券会社に対して、その債券の通貨の円に対するこれまでの 相場の推移を示すデータならびに発行者が専門の格付け機関からどの程度の 格付けを得ているかというデータを要求すべきだろう。 もちろん、元本割れは充分覚悟しておく必要がある。 現在外債などで最も広く用いられているのが、米国のムーディズ社ならびに S&P社という会社による格付け。 最も信用度が高いAAA(トリプルA)からC(シングルC)あるいはD(シングルD)までの ランクが設けられている。 一般的にはこのうち個人が安定的な投資対象として選択してもいいとされて いるのは一応、BBB格以上だ。 逆にBB以下の銘柄格しか得ていないところが発行する債券はジャンクボンド (屑債券)と呼ばれ、倒産などによる利子あるいは元本の支払いが行われないか もしれない危険性が高い。 実際過去の例を見ても、BB以下の債券のデフォルト率が高いことが 見て取れる。 もっとも最近では、新発債、既発債を問わず、証券会社が個人向けに販売 している銘柄のほとんどはBBB格以上の投資適格債だ。 |