「スマートマネー流 株式選択術」
ネリー・S・ファン+ピーター・フィンチ著 より
■売上高利益率(利益率) profit margin
企業の収益力やコスト構造、効率性を見る尺度。
利益率 = 利益(或いはキャッシュフロー) ÷ 売上高(或いは営業利益)
利益率は基本的に4種類有り、粗利益率、営業利益率、税引き前利益率、 純利益率がある。
投資家が一番注目するのは純利益率で、あらゆるコスト、費用、税金などを差し引いた後の企業の収益力を見るもの。
純利益率(%) = 純利益 ÷ 売上高 ×100
利益率は特に、他の多くの企業との収益性比較にも便利だが、これひとつだけで企業の財務上のトラブルを見出すこともできるので、非常に役に立つ指標である。
■売上高営業利益率(営業利益率)
operating margin
営業費用を全て差し引いた後の企業の利益率。
営業利益率(%)=営業キャッシュフロー ÷ 売上高 ×100
これにより、負債に対する支払利息や、減価償却費などを差し引く前の 企業の収益力が分る。
損益計算書にある有形試算の減価償却費や無形試算の償却費は、しばしば「操作」されるため、企業の収益力を見るには、営業利益率のほうがより正確だと思っているアナリストが多い。
■売上高総利益率(粗利益率) gross margin
生産コストを差し引いた後の企業の利益率。
売上総利益=売上高 − 売上原価
粗利益率(%)= 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
粗利益率により、管理費や税金、減価償却費などを差し引く前の、企業の本業における収益力が分る。
ただし、売上高営業利益率のほうが、企業の利益率をより正確に表しているといえる。
■売上高純利益率(純利益率) net margin
あらゆるコストや費用、税金を差し引いた後の企業の利益率。
純利益率(%)= 純利益 ÷ 売上高 ×100
企業の営業効率を測定するのに用いられる。
企業経営にかかる全ての費用が考慮に入れられているため、利益率の中でも特に注目度が高い。
しかし、企業の収益力をより正確に見たければ、売上高営業利益率のほうが良いかもしれない。
|