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「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」 橘玲 著 から抜粋します。
海外投資の収益種類別に、税金をまとめてあります。
1.銀行預金の利子
海外の銀行口座に預金をすると、そこで得られた利息は、利子所得として総合課税の対象になります。
1.銀行預金の利子
海外の銀行口座に預金をすると、そこで得られた利息は、利子所得として総合課税の対象になります。
仮に海外の銀行に年利1%で100万円を預け、1年間に1万円の利息を受け取ったとすると、その他の所得にこの1万円の利子所得を加えた額を、翌年の3月15日までに確定申告するわけです。
ただし年収2000万以下のサラリーマンの場合、20万円以下の雑所得は申告免除となっています。
あるいは専業主婦や無職の人の場合、年間※38万円の基礎控除以内なら申告の必要はありません。
【※ 平成19年度の基礎控除は、33万円でした)】
2.株式・債券・ファンドの配当
海外の金融機関で保有している株式・債券・ファンド(投資信託)からの配当も、利子所得が配当所得に変わり総合課税での申告納税となるのは同じです。
株式の配当を総合課税で申告する場合、国内株式では一定の配当控除が認められますが、この特例は、海外の証券会社を利用した場合は適用されません。
ただし、海外で配当に課税された場合は、一定の範囲で外国税額控除が可能です。
3.債券の売却益
債券に関しては、国内・海外ともに、譲渡益に課税されません。
これは国債の保有を促すための処置だと思われますが、外国債や社債でも同じ特権を享受できます。
日本の税法の中で、債券は最も恵まれた金融商品です。
ただし配当の無い割引債の譲渡益(償還差益)まで非課税にしてしまうと完全な無税商品になってしまうため、割引債に限り、購入時に償還差益との差額の18%を源泉徴収することになっています。
資産課税における源泉徴収は、金融機関が税務当局にかわって税を徴収する制度です。
従って、源泉徴収制度は国内の金融機関しか適用できません。
そのため、租税特別処置法でも、割引債を「国内において譲渡したことによる所得」は譲渡課税の対象になると定められていますが、海外で譲渡した際の規定がありません。
なんの規定もないということは、一般則として扱うということです。
割引債も債券の一種であり、債券の一般則は譲渡益非課税ですから、海外の金融機関で保有し、譲渡された割引債の利益も非課税ということになります。
4.株式の売却益
株式は、国内・海外とも同じ扱いです。
一年間の全ての株式売却益を通算し、申告することになります。(税率20%)
株式市場活性化のために設けられたいくつかの複雑怪奇な優遇処置は、外国株式には適用されません。
5.ファンドの売却益
ファンド(投資信託)は、契約型か会社型かによって扱いが大きく異なります。
契約型は、日本のほとんどのファンドが採用している仕組みで、投資家がファンド会社と契約を結び、ファンド会社はその契約に則って投資家の資金を運用する仕組みです。
投資家の権利は「受益証券」という契約書によって保護され、投資はユニット(口)単位で行われます。
海外ファンドの中では、オフショア籍のファンドの多くがこの契約型です。
会社型は、ファンドごとにひとつの会社を設立し、投資家はその株式を購入するタイプです。
上場型投資信託(ETF)の他、アメリカのミューチュアルファンドがこのタイプで、投資はシェア(株)単位で行われます。
日本の税法では、契約型投信は債券と同じ、会社型投信は株式と同じ扱いとなります。
6.為替損益の扱い
外貨建て預金の為替損益は、日本国内の外貨預金と同様に、雑所得扱いになります。
為替差益は外貨預金を円転して利益が確定した時に課税対象となります。
従って、外貨で保有し続ける限りは、どれだけ含み益が出ても申告の必要はありません。
債券の場合、償還時に生じた為替差益は、預金と同じく雑所得として課税されます。
それに対し、中途売却で生じた為替差益は、譲渡益と一体のものとみなされるので原則非課税です。
株式の場合は、売却時に為替損益を加え、円建てで課税所得を計算します。
ファンドに関しては、契約型では債券と、会社型では株式と同じ扱いになります。
税法に則った説明は、複雑ですね。
ちょっと乱暴にまとめると、
●外貨預金を外貨のまま置いておくなら、大金持ち以外は申告不要。
●外国債券は、償還前に中途売却すれば、納税不要。
●株式は、課税対象。
●配当のない契約型投信(オフショアファンド)は、申告不要。
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