「手に取るように金融用語がわかる本」
三菱総研経済調査部 監修 より
■ABS/SPC
Asset-Backed Securities/Special Purpose Company
不動産や債券から発生する収益を裏づけに発行される証券。
発行の際にはSPCが設立される。
アメリカで債権や不動産の流動化の際に、利用される手法の一つです。
例えばクレジットカード会社は、利用者から資金を回収する権利(クレジットカード債権)を持っています。
このクレジットカード会社が別会社を設立し、そこにクレジットカード債権を売却します。
そしてこの別会社が、クレジットカード債権から得られる収益を裏づけとした証券を発行し、投資家から資金を調達するというものです。
この別会社を「SPC(特別目的会社)といい、SPCが資金を調達するときに発行する証券を「ABS(アセットバック証券)」と呼びます。
なぜわざわざSPCを設立するのかといえば、債権による収益をクレジットカード会社本体から分離するためです。
こうすればクレジットカード会社の経営が悪化しても、その債権の収益性には影響が無くなり、ABSの安全性が確保されるわけです。
最近は日本でも法整備が進み、金融機関や不動産会社などが、ABSの発行を始めています。
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